一ノ谷博士のIT四方山話

元パソコンサポーターです。IT関連のテーマを中心に書きます。

マイナンバーがやってくる。⑭

今回は公的個人認証サービスについて解説します

公的個人認証サービスは住民基本台帳カード住基カード)に組み込まれる形で、2004年1月に始まりました。
しかし、利用範囲は行政サービスに限られていたので、利用範囲の開拓はあまり進みませんでした。個人向け用途では、国税電子申告・納税システムe-Tax) の確定申告用に使われただけでした。公的個人認証サービスに利用する電子証明書の発行は、2014年末時点で約288万件にすぎません。
 
今回、個人番号カード(マイナンバーカード)で利用できるようになる公的個人認証サービスには民間開放に合わせて、多彩な機能が追加されています。
 
氏名や住所などの身元を証明するネットワークを利用した身元確認から、ユーザー名/パスワードの組み合わせを使わずにコンピュータやインターネットを利用できるようにするログイン認証、住所変更の有無のチェック、年齢判定の機能まであります。
 
個人番号カードの保有者は、1台2000円ほどのカードリーダー端末を自分のPCにつなげるか、あるいは公的機関や民間企業の窓口に設置されたカードリーダー端末を通じて、これらの公的個人認証サービスを利用できます。
 
公的個人認証サービスは、オンラインで個人をほぼ一意に特定できる点で、極めて強力なものです。利用者にとっては、認証に使われる様々なもの、例えば印章や運転免許証、保険証などを持ち歩かずに済むようになります。
 
ただし、個人番号カード保有者にとっては、用途ごとに設定した4種類の暗証番号を使い分けられるか、個人番号カードを利用する際に「どのサービスを使っているか」を認識できるかなど、多目的カードならではの難しさに直面することになります。