一ノ谷博士のIT四方山話

元パソコンサポーターです。IT関連のテーマを中心に書きます。

一ノ谷博士の独断解説 ウルトラQ 「あけてくれ!」

 ウルトラQの「あけてくれ!」を見た。
1960年代にTVで放映されるはずだったのにスポンサーの都合とやらで放映されなかったらしい。

このTV番組のDVDに収録されたわけだがなるほど子供にはむいていないのがよく分かる。
 
生活に疲れている連中が現実から逃避する話である。
 
私はこの番組のファンでよく見ていたわけだがもし放映されていたとしても小学生の自分にはよく理解できなかっただろう。
 
 現在のTV番組の内容の痴呆ぶりと比べると当時の番組の脚本のできの良さに改めて驚く。
 
さわりを少しだけ書いておこう。
 
 夜中に音もなく空を飛ぶ列車を一平君(ウルトラQのレギュラー登場人物)は目撃する。
その後、彼を置いてきぼりにした二人(同じくウルトラQのレギュラー登場人物)は道路に倒れている男を見つけた。
その男はウルトラQ「2020年の挑戦」の最後のシーンで虹色の水たまりに足を入れて消えてしまった刑事だが今回の話とは関係ない。
 
この男は踏切を通過する列車を見て「あけてくれ」と叫びだす。
出だしはこんな感じである。

エクスプローラーからデバイスドライバを削除したためにUSBメモリが使えない。

 
 筆ぐるめの住所録と家計簿マムのデータをXPが動いているパソコンからVISTAが動いているパソコンに移してほしいという依頼を受けた。
世の中にはケーブルとソフトを使ってパソコン間でデータを転送する引っ越しソフトなるものがあるが筆ぐるめと家計簿マムを自動的に転送できるとは思われない。
 
そこで私は引っ越しに使うために、USBメモリーを準備した。
要するに筆ぐるめと家計簿マムのデータのバックアップを取り、VISTA上の同じソフトに読み込ませればいい。
そう考えて、XPのパソコンにUSBメモリーを接続した。
 
モリーには赤いランプがついた。
しかしパソコンには変化がない。
普通ならドライバを読み込んでいますとか、使う準備ができましたなどと表示されるのだが何の音沙汰もない。
 
スタートからマイコンピュータを開いてみたがUSBメモリーは認識されていない。
依頼人に話を聞いてみるとパソコンの速度が遅いので、ソフトを削ったらしい。
その結果、依頼人はXP上のデータをCDに焼こうとしたができなかった。
インターネットにもつながらない。
住所録を印刷しようとしたがこれもできなかった。
 
話を聞きながらデバイスマネージャーを開いてみようとしたが何も表示されず真っ白だった。
依頼人は私に依頼する前に、パソコンメーカーのサポートセンターに相談してリカバリーをするように言われたらしい。
デバイスドライバーを削除しまくった人には初めて出会った。
さて困った。
 
いろんな事ができないがXPは起動している。
筆ぐるめも家計簿マムも動く。
CDが使えなければソフトもインストールできないと私がぼやくと依頼人はトレイに音楽CDを入れた。
きちんと認識している。
そこで、ubuntuという名前のLinuxをCDからブートして、USBメモリーにデータをコピーすることにした。
 
ubuntuは優れものでXPで保存されたデータをUSBメモリーにコピーすることができる。
ubuntuが正常に起動することを確認した後に、XP上で筆ぐるめと家計簿マムのバックアップを取った。
これをフォルダに保存し、ubuntuを使ってUSBメモリーにコピーすることはうまくいった。
USBメモリーをVISTAが起動しているパソコンに刺して、筆ぐるめに読み込ませる。
読み込んでくれない。
なんとVISTAで動いている筆ぐるめの方がバージョンが古い。
当たり前だが古い筆ぐるめは新しい筆ぐるめの保存形式を知らない。
家計簿マムはこの様な問題はなくバックアップを読み込んでくれた。
やむなく、XPに戻り、住所録をCSV形式に保存しなおした。
 
パソコンの速度が遅いからといって、闇雲にソフトを削除したら高いものにつく。
くれぐれもHDDの中をエクスプローラーで覗いて削除するようなまねはしないようにお願いしたい。

建設工事の現場事務所からパソコン設定を依頼された。

 
しばらく前の話である。
 
工事の現場事務所からパソコンの初期設定を依頼された。
マイクロソフトアカウントの設定もといわれたので了解しましたと答えた。
その時はいつもと同じ作業を行うだけだと考えていた。

プレハブの2階に上がって、パソコンを見せてもらった。
東芝のノートパソコンで、Windows10が動いている。
パソコンはローカルアカウントで動作していた。
依頼人はオフィスプレミアムを利用するためにマイクロソフトアカウントが必要だと説明書に書いてあるのだがうまくいかないので来てもらったと言った。
インターネットは無線接続ですかと聞いてみると違うといわれた。
ノートパソコンの裏側にNTTのADSLモデムが置いてあった。
依頼人はLANケーブルをノートパソコンにつないでも、インターネットにつながらないんですよと言う。
 
私は依頼人に説明した。
パソコンにインターネット接続の設定をしなければ、インターネットに接続できない。
このケースではパソコンにPPPoEの設定をする必要がある。
 
依頼人はこれを知らなかった。
依頼人の会社ではケーブルをつなげばインターネットが使えると言う。
会社ではLANが準備されているのだろう。
 
私は依頼人に、プロバイダからもらっているアカウントとパスワードがあれば接続できるといったが現場事務所にはそのような文書はなかった。
会社に電話して、FAXで送ってもらうように行ってみたが会社にはわかるものがいないといわれた。
マイクロソフトアカウントもオフィスプレミアムの設定もインターネットが使えなければ完了できない。
 
もう少し依頼人と話をしてみると会社ではパソコンやLANの設定を外部に委託していることが分かった。
工事事務所のパソコンもその業者に依頼するようにと言って、引き上げた。
 

空の大怪獣ラドン

空の大怪獣ラドン 1956年 東宝


 ラドン阿蘇山近辺の地下にある洞窟で、巨大な卵から生まれている。
 
主人公の佐原健二はこれを目撃した。
 
生まれたばかりのラドンは食欲旺盛で早速周りにいたメガヌロンというトンボのヤゴを大きくしたような生物をついばみ始めた。
これは珍しい場面ではなかろうか、私はゴジラモスラキングギドラなどが食事をするところを見たことがない。
 
ラドン中生代白亜紀後期に生息していた翼手竜亜目プテラノドン科のプテラノドン放射能の影響で巨大化したものかもしれないといわれている。
 
しかしこの意見には少し疑問を感じる。
プテラノドンはいつ放射能の影響を受けたのだろう。
 
中生代白亜紀後期の地層からは巨大なラドンの化石は見つかってはいない。
ただ、まだ見つかっていないだけかもしれない。
 
しかし、放射能の影響を受けたのが中生代白亜紀後期で、プテラノドンラドンのように巨大化するのであれば他の恐竜などの巨大化した化石が見つかっても良さそうに思うがそれもない。
 
放射能の影響を受けたのはゴジラガメラと同様に最近のことかもしれない。
ラドンは巨大な卵から生まれている。
放射能を浴びた卵が巨大化するというのは考えにくいのであの大きな卵を産んだ大きな母親が存在するはずである。
どこへ行ったのだろう。
もうひとつ、いったいどのくらいの期間、卵は洞窟にあったのだろう。
 
ラドンは超音速で空を飛ぶ。
ラドンは羽ばたかない。
主に上昇気流に乗って滑空しているのである。
それなのに超音速を出せるのは何故だろう。
 
科学考証は東宝特撮映画を鑑賞するときの楽しみの一つである。
ラドンはいろいろ考えさせてくれる楽しい映画だ。

ガス人間第一号

ガス人間第一号 1960年 東宝

 東宝特撮の変身人間路線第3弾にして連続銀行強盗物である。

世間一般の強盗と違うのは犯人が自分の体を自由にガス化できることである。
見ている限りでは鍵のかかっている金庫に自由に出入りできるわけではないようだ。
銀行の担当者が金庫を開けているときに後ろから襲い、殺した上で金を奪っている。

犯人はその金を日舞の家元に貢いでいる。
家元はその金を平気で使う。
どうやら田舎の土地を売った金だといわれていたらしい。
ある日、お札の番号から犯人を知っている疑いをかけられ、家元は逮捕されてしまう。ガス人間は家元を救い出しにくるのだが家元は逃げだそうとはしない。
 
物語は進み、ガス人間はマッドサイエンティストの犠牲者だったことがわかる。
同じ頃、家元は証拠不十分で釈放され、発表会が行われることになる。
ガス人間はおおかたの想像通り、家元の発表会で家元と一緒に死ぬ。
家元による無理心中だ。
家元は他に結論の出しようがなかったのだろう。
 
かわいそうな彼の魂魄はこの世に残り、マタンゴになったり、X星人の頭領になったりと波瀾万丈な人生を歩むことになる。

ストーリーはだいたいこの通りである。
 
 さて、どんな物であれ、ガスになるにはどうすればいいのであろうか。
物質を結びつけている力のうち、分子間力を弱める薬剤、もしくはエネルギーがあればガスになることはできるかもしれない。
普通の言葉で言えば燃やすのである。
 
しかし、元の姿に戻るのは不可能な気がする。
人は燃えればガスになり少しのかすが残るのみである。
このときに発生した物質を集めたからと言って元の姿に戻すのは不可能であろう。
 
熱力学第2法則によればエントロピーは自然に減ることはないので、元の姿に戻るためにはエントロピーの少ない大量のエネルギーを必要とするであろう。
ガスになった人の意志でもとの姿に戻るにはどのような方法が考えられるのであろうか。
 
私にはわからない。
 
さて、この映画で日舞の師匠役を演じた八千草薫さんが先日88歳で亡くなられた。
ご冥福をお祈りします。
 

 

地球防衛軍

地球防衛軍 1957年 東宝
 
 富士山麓に近い町に放射能を帯びた怪物が現れた。
そのすぐ後、UFOが目撃される。
 
怪物は宇宙人が作ったロボットである。
そのロボットは渡ろうとした橋の爆破により動きを止めるのだが私としては気に入らない。
侵略を目的にしたロボットの割には出来が悪い、もう少しがんばってもらいたいものである。
 
地球のある学者の研究により、UFOでやってきた宇宙人は火星と木星の間に昔、存在していた星の人たちであることがわかった。
この学者の考えでは、今この場所に観測される小惑星は昔の惑星の残骸ということらしい。

彼らは富士山麓の地下に自分たちが住めるスペースを造営し始めた。
彼らは地球に住むための交渉をする中で、自分たちの種族を増やすために地球の女性を要求する。
地球の女性と婚姻することにより、子孫を増やすことができるならば彼らは地球人と同じ種族だといえる。
 
この後、宇宙人は本性を現し、科学力の優越性をたてに、地球人に対して抵抗しても無駄だといっていたのだが地球人に簡単に反撃され敗退してしまう。
 
逃亡した残存勢力は地球人の好戦性を考慮に入れて戦略を練り直す必要があるだろう。
 
映画の中ではロボットの呼称がないが一般にはモゲラと呼ばれている。
私の好きな東宝特撮の怪物である。

モスラ

 モスラを見た。
この映画は1961年公開である。
太平洋を航海している船が嵐のために、インファント島の付近で座礁したところから物語は始まる。
 
インファント島は核実験に使われた島で、無人だと思われていた。
核実験を行った国は物語の中ではロリシカ国と呼ばれている。
わざとらしい名前の付け方だがロシアとアメリカを連想させるようになっている。
 
インファント島は無人島ではなく原住民とフランキー堺が名付け親である妖精の双子、小美人が住んでいる。
この妖精の双子、小美人が島から日本へ連れ去られたものだからモスラが卵からかえり、二人を取り戻すべく活動を始める。
 
いつものように人間は怪獣の前に手も足も出ない。
これはお約束だからやむを得ない。
 
この映画で、東京タワーがモスラに破壊されるが東宝怪獣映画では初めてのことである。
初代のゴジラは放送塔を破壊するが当時まだ東京タワーは存在していないので壊すことはできない。
 
ちなみに歴代怪獣映画で皇居が破壊されたことはない。
避難民が逃げ込もうとするシーンがあったような気がするがよく覚えていない。
(後に思い出した、《日本沈没》の一シーンである。怪獣映画ではない)
 
東京タワーに繭を作ったモスラを攻撃するためにロリシカ国が最新の兵器、原子熱線砲を貸与してくれるのであるがもちろん役にたたない。
その熱はモスラが孵化するのを早めてしまう。
 
映画公開前年に日本はアメリカとの間で、安保条約を更新したので、映画にも影響しているのだろう。
平成ゴジラシリーズ以降、アメリカが日本防衛のために国内でゴジラと戦うシーンは存在しない。
ゴジラが安保条約の対象外なのは仕方がないだろう。
 
モスラは小美人をさらった連中がロリシカ国に逃亡したためにロリシカ国を襲っている。
壊滅寸前になったロリシカ国も国内で核兵器を使う度胸はなかったようである。